「先週の会話で決めた前提を、新しいチャットでも使いたい」「前回の続きから始めたいのに、また最初から説明している」。ChatGPTを使い込むほど、会話をまたいで情報を引き継ぎたい場面は増えていきます。
結論から言えば、引き継ぐ方法は3つあり、目的によって使い分けます。過去の会話を自動で参照させる「チャット履歴の参照」、覚えておいてほしいことを明示的に残す「保存されたメモリ」、関連する会話と資料を一か所にまとめる「プロジェクト」です。この3つの違いを知らないまま「前の会話を見て」と頼んでも、思ったとおりには動きません。
この記事では、ChatGPTコンサル編集部が、3つの方法の仕組みと違い、設定の場所、目的別の使い分け、うまく引き継げないときの対処、そして会社で使うときの注意点までを解説します。
⚠️ メモリの機能は、プラン、地域、ワークスペースの設定によって異なることがあります。本記事は2026年9月26日時点の情報です。最新の内容はメモリの公式ヘルプでご確認ください。
結論|3つの方法の使い分け
まず、3つの方法を並べて比べます。
| 方法 | 何を引き継ぐか | 向いている場面 |
|---|---|---|
| チャット履歴の参照 | 過去の会話から、関係のありそうな情報を自動で | 自分の好みや状況を、毎回説明したくない |
| 保存されたメモリ | 「覚えておいて」と頼んだ内容を明示的に | 役職、文体の好み、社内の用語など、確実に使ってほしい前提 |
| プロジェクト | 同じプロジェクト内の会話、資料、指示 | 一つの案件や業務を、複数の会話にまたがって進める |
一言でまとめると、「なんとなく覚えていてほしい」なら履歴の参照、「必ず覚えていてほしい」ならメモリ、「この案件の中だけで共有したい」ならプロジェクトです。
💬 さとしさん(編集長)
「前の会話を見て」で引き継げるのは、履歴の参照がオンのときだけです。まず設定を確かめましょう!
方法1|チャット履歴の参照
公式ヘルプによれば、この設定がオンのとき、ChatGPTは過去の会話を参照して、そこで共有された役に立つ情報を思い出し、今後の会話に活かします。自分で何かを登録する必要はなく、普段の会話がそのまま材料になります。
設定の場所
プロフィールのアイコンから「設定」を開き、「パーソナライズ」の中の「メモリ」に進みます。ここに「チャット履歴を参照する」の切り替えがあれば、いつでもオンとオフを変えられます。表示される項目は、プランやワークスペースの設定で異なります。
知っておきたい性質
- すべてを覚えているわけではない:公式ヘルプにも、過去の会話のすべての詳細を覚えているわけではないと明記されています。「関係のありそうな情報を思い出す」仕組みで、特定の会話の全文を正確に引く機能ではありません
- 何を思い出すかは選べない:どの会話のどの部分を使うかを、こちらから指定することはできません
- 一時チャットは対象外:一時チャットは、メモリを作ったり更新したりしません。引き継ぎたくない相談は、一時チャットで行います
つまり、「前回の会話の3つめの案を使って」といった正確な指定には向きません。そうした場合は、次のメモリかプロジェクトを使います。
方法2|保存されたメモリ
「これを覚えておいて」と明示的に頼んだ内容を、会話とは別の場所に保存する仕組みです。履歴の参照が「なんとなく」なのに対して、こちらは確実に残したい前提を登録します。
登録の仕方
会話の中で、次のように頼みます。
次のことを覚えておいてください。
・私は営業企画部の課長で、主に提案資料と社内報告書を作っています
・文章は「です・ます調」で、結論を先に書く形式を好みます
・社内では「顧客」ではなく「お客さま」と表記します
登録されると、その旨が表示されます。以降の会話では、これらの前提が自動で使われます。
確認と削除
設定の「パーソナライズ」から「メモリ」に進むと、保存されている内容の一覧を確認できます。会話の中で「私について何を覚えていますか」と聞いても確かめられます。不要になった項目は、一覧から個別に削除できます。公式ヘルプによれば、削除や更新が反映されるまでには時間がかかることがあります。完全に消したい場合は、保存されたメモリと、その内容を伝えた元の会話の両方を削除します。
向いている内容
- 役職と業務の内容
- 文体や形式の好み
- 社内の用語や表記のルール
- 繰り返し使う前提(対象の顧客層、扱う製品など)
逆に、案件ごとに変わる内容や、一時的な情報は、メモリに入れると古くなって邪魔になります。そうした内容は、プロジェクトのほうが向いています。
💬 あやさん(副編集長)
役職や文体みたいな「ずっと変わらないこと」はメモリ、案件ごとの前提はプロジェクト。この分け方で迷わなくなるよ!
方法3|プロジェクト
一つの案件や業務に関わる会話、資料、指示を、一か所にまとめる機能です。公式ヘルプによれば、プロジェクトの中の会話は、同じプロジェクトの別の会話を参照できます。「この案件の中だけで文脈を共有したい」場合に最も確実な方法です。
プロジェクトに置けるもの
- 指示:そのプロジェクトの中でだけ効くカスタム指示です。全体のカスタム指示より優先されます
- ファイル:参照させたい資料を置いておきます。上限は、無料版5、GoとPlus 25、Pro・Business・Enterprise・Edu 40ファイルです
- 会話:新しく始めるほか、既存の会話をプロジェクトに移すこともできます
既存の会話を移す
すでに進めていた会話をプロジェクトに入れたい場合は、会話をプロジェクトにドラッグするか、会話のメニューから「プロジェクトに移動」を選びます。移した会話は、そのプロジェクトの指示とファイルの文脈を引き継ぎます。
プロジェクト限定のメモリ
プロジェクトには「既定のメモリ」と「プロジェクト限定のメモリ」の2つの設定があり、作成時か、あとから「プロジェクト設定」の「メモリ」で切り替えられます。反映には数時間かかることがあります。プロジェクト限定にすると、プロジェクトの中の会話は同じプロジェクトの会話だけを参照し、プロジェクトの外の会話や保存されたメモリは使いません。案件ごとに情報を分けたい場合に使います。
なお、ほかの人と共有したプロジェクトは自動的にプロジェクト限定になり、既定には戻せません。また、この設定のプロジェクトではChatGPT Workは使えません。
「前回の続きから」を確実に始める手順
3つの方法を組み合わせると、続きの作業を確実に始められます。
- 継続する仕事はプロジェクトを作り、資料と指示を置く
- 変わらない前提(役職、文体、用語)はメモリに登録する
- 新しい会話は、そのプロジェクトの中で始める
- 前回の会話で決まったことは、会話の最後に「決定事項」として要約させ、それをプロジェクトの指示か、次の会話の冒頭に貼る
4つめが実務では特に効きます。履歴の参照は「関係のありそうな情報」を思い出す仕組みなので、決定事項のように正確さが必要なものは、文章として残して次の会話に渡すのが確実です。
この会話で決まったことを、次回の会話の冒頭に貼れる形で要約してください。
決定事項、保留事項、次にやることの3つに分けて、それぞれ箇条書きでお願いします。
うまく引き継げないときの確認点
- 履歴の参照がオフになっていないか:設定の「メモリ」で切り替えを確かめます
- 一時チャットで話していないか:一時チャットの内容は引き継がれません。残したい会話は保存すると通常の会話になり、以降はパーソナライズの設定に従います
- 別のプロジェクトの会話を参照しようとしていないか:プロジェクト限定のメモリがオンだと、プロジェクトの外は参照しません
- 別のアカウントやワークスペースで話していないか:会話、メモリ、ファイルはアカウントごとに分かれており、切り替えても共有されません
- 引き継ぎたい内容が「関係のありそうな情報」として拾われていないか:正確に必要なものは、要約を貼るか、メモリに登録します
会社で使うときの注意点
メモリと履歴の参照は、便利なぶん、情報の扱いに注意が必要です。
- 顧客の情報をメモリに残さない:案件が終わっても残り続けるため、顧客名や取引の詳細をメモリに登録するのは避けます。案件の情報はプロジェクトに置き、終わったらプロジェクトごと整理します
- 一時チャットを使い分ける:他の会話に影響させたくない相談は、一時チャットで行います
- ワークスペースの設定を確かめる:公式ヘルプによれば、メモリの機能と制御はワークスペースの設定によって変わります。会社のアカウントでは、管理者がメモリの利用を制限している場合があります
よくある質問(FAQ)
Q. 「前の会話を見て」と頼めば、前回の内容を使ってくれますか?
A. チャット履歴の参照がオンなら、関係のありそうな情報は使われます。ただし全文を正確に引くわけではないため、正確さが必要な内容は要約を貼るか、プロジェクトにまとめてください。
Q. 特定の会話だけを引き継ぐことはできますか?
A. 会話を指定して参照させる機能はありません。その会話をプロジェクトに移すか、要約を新しい会話に貼る方法が確実です。
Q. メモリに登録した内容は、いつまで残りますか?
A. 削除するまで残ります。設定の「メモリ」から個別に削除できます。
Q. 一時チャットの内容は、あとで引き継げますか?
A. 一時チャットのままでは引き継がれません。保存すると通常の会話になり、以降はパーソナライズの設定に従います。
Q. 会社のアカウントでもメモリは使えますか?
A. ワークスペースの設定によります。管理者が制限している場合があるため、使えないときは管理者に確認してください。
まとめ
別のチャットの内容を引き継ぐ方法は、目的で使い分けます。要点を5つにまとめます。
- チャット履歴の参照は、過去の会話から関係のありそうな情報を自動で思い出す仕組みで、全文を正確に引くものではありません
- 保存されたメモリは、役職や文体のように、確実に使ってほしい変わらない前提を登録します
- プロジェクトは、一つの案件の会話、資料、指示をまとめ、その中の会話どうしで文脈を共有します
- 正確さが必要な決定事項は、会話の最後に要約させて、次の会話に貼ります
- 会社では、顧客の情報をメモリに残さず、案件の情報はプロジェクトに置いて整理します
まずは、設定の「メモリ」を開いて、チャット履歴の参照がオンになっているかと、何が保存されているかを確かめてみてください。引き継ぎがうまくいかない原因の多くは、ここで分かります。
💬 さとしさん(編集長)
設定の「メモリ」を一度開いてみてください。何が覚えられていて、何が覚えられていないかが、一目で分かりますよ!
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