「毎月の請求書作成が地味に面倒」「取引先ごとに項目を打ち直すのが手間」。定型的なのに時間を取られる請求書業務は、ChatGPTと相性の良い作業です。過去のパターンをもとに新しい請求書を組み立てるのは、まさにAIが得意とするところだからです。
この記事では、ChatGPTコンサル編集部が、ChatGPTを使って請求書を作成・効率化する方法を、手順とプロンプト、インボイス制度への対応、Excelやテンプレートとの組み合わせ方まで解説します。
なお、この記事は「自分が取引先に発行する請求書を、ChatGPTで作る方法」の解説です。「ChatGPTの利用料の領収書をOpenAIから受け取る方法」とは別のテーマなので、混同しないようご注意ください。
⚠️ 請求書は税務・法制度に関わります。本記事は2026年6月時点の一般的な情報であり、税務上の助言ではありません。制度の詳細や自社の処理は、税理士や国税庁の情報でご確認ください。
ChatGPTで請求書を作るメリットと注意
まず、ChatGPTが請求書業務のどこに効くのかを整理します。
得意なこと
- 過去のパターンから、新しい月の請求書を組み立てる
- 項目・摘要の文言を整える
- 複数取引先の請求データをまとめて処理する
- テンプレートのたたき台を作る
注意すべきこと
- 金額計算をAIに丸投げしない:AIの計算にはミスが起こりうる。合計・消費税は必ず検算する
- 正式なフォーマット出力は不得意:見た目の整った請求書は、Excelや専用ツールで作るほうが確実
つまり、ChatGPTは「請求書の中身(データ・文言)の整理」に使い、「体裁・計算」はExcelやテンプレートに任せるのが、堅実な使い方です。
💬 さとしさん(編集長) ChatGPTは請求書の「下ごしらえ」役。計算と体裁はツールに任せて、二人三脚で回すのが安全で速いぞ!
前提|請求書に必要な記載事項(インボイス対応)
請求書を作る前に、記載が必要な項目を押さえておきましょう。2023年10月開始のインボイス制度(適格請求書)に対応する場合、次の記載が求められます。
- 発行者の氏名・名称と登録番号(適格請求書発行事業者の番号)
- 取引年月日
- 取引内容(軽減税率の対象品目である場合はその旨)
- 税率ごとに区分した合計額と適用税率
- 税率ごとの消費税額
- 請求先(宛名)の氏名・名称
このほか、請求書番号、支払期限、振込先などを入れるのが一般的です。ChatGPTに請求書を作らせるときは、これらの項目を漏れなく指示するのがポイントです。
💬 あやさん(副編集長) インボイス対応なら「登録番号」「税率ごとの消費税額」は必須。プロンプトに項目を明示して、抜けを防ごう!
方法①|プロンプトで請求書の内容を作る
まずは、請求書に載せる内容をChatGPTに整理させる方法です。
基本のプロンプト
以下の情報で、請求書に記載する内容を作成してください。
インボイス制度(適格請求書)の記載要件を満たす形で、
項目を漏れなく整理してください。
・発行者:〔自社名・登録番号〕
・請求先:〔取引先名〕
・取引年月日:〔日付〕
・品目と金額:
〔品目1〕〔数量〕〔単価〕
〔品目2〕〔数量〕〔単価〕
・消費税率:10%
・振込先:〔銀行・口座〕
・支払期限:〔期限〕
税率ごとの小計・消費税額・合計も算出してください。
※金額は私が検算します。
必ず検算するという前提で使いましょう。AIの計算は補助であり、最終的な金額は自分で確認します。
💬 りくさん(編集部) 「金額は私が検算します」と一言入れておくと、自分でもチェックを忘れません。計算ミスは信用に関わるので必須です。</p>
方法②|過去データから請求書を量産する
毎月同じ取引先に請求している場合、過去のパターンをChatGPTに渡すと、新しい月の請求書を効率的に作れます。
手順
- 過去数ヶ月分の請求データを、CSV形式などのシンプルなデータに整理する(罫線や装飾は外し、純粋なデータだけにする)
取引先名,日付,項目,数量,単価,金額,摘要
株式会社A,2026-05-31,顧問料,1,50000,50000,5月分顧問料
株式会社A,2026-05-31,開発作業,5,10000,50000,システム改修
株式会社B,2026-05-31,顧問料,1,30000,30000,5月分顧問料
- このデータを渡し、「このパターンで6月分を作成して」と依頼する
- 出てきた内容を確認し、テンプレートに反映する
装飾を外した純粋なデータにするのが、精度を上げるコツです。複数取引先の請求をまとめて処理できるため、件数が多いほど効果を実感できます。
💬 さとしさん(編集長) 過去データを渡せば「毎月の型」をAIが把握してくれる。件数が多い人ほど、この量産方式は効くぞ!
方法③|Excel化・テンプレート出力と組み合わせる
見た目の整った請求書に仕上げるには、Excelやテンプレートと組み合わせます。
Excelに転記する
ChatGPTが整理した内容を、既存のExcel請求書テンプレートに転記します。有料プランのデータ分析(コード実行)機能を使えば、データをもとにExcelファイルを生成できる場合もあります。ただし、計算式やレイアウトは、自分のテンプレートで管理するほうが確実です。
数式のヘルプに使う
Excelでの請求書作成でつまずいたら、数式をChatGPTに聞くのも有効です。
Excelで、単価×数量の小計を出し、
その合計に消費税10%を加える数式を教えてください。
消費税の端数は切り捨てにしたいです。
PDFで送付する
完成した請求書は、PDF形式に変換して送付するのが一般的です。Excelで作った場合も、PDFにしてから送りましょう。
💬 あやさん(副編集長) 「中身はChatGPT、体裁と計算はExcel、送付はPDF」。この流れが、正確で見栄えもいい鉄板ルートだよ!
消費税の端数処理に注意
インボイス制度では、**消費税の端数処理は「1つの請求書につき、税率ごとに1回」**と定められています。品目ごとに端数処理を繰り返すことはできません。
切り捨て・切り上げ・四捨五入のどれを採用するかは事業者が選べますが、この「税率ごとに1回」というルールは守る必要があります。ChatGPTに計算させる場合も、この点を指示し、最終的には必ず自分で確認しましょう。
💬 りくさん(編集部) 端数処理のルールは見落としがち。「税率ごとに1回」と覚えておくと、請求書の消費税計算で迷いません。
注意点
- 金額は必ず検算する:AIの計算は補助。合計・消費税・端数処理は自分で確認する
- 記載要件の漏れを確認する:特にインボイス対応では、登録番号や税額の記載漏れに注意
- 機密情報・個人情報に注意:取引先名や金額などの情報を入力する際は、学習をオフにする、法人プランを使うなどの対策を検討する
- 正式書類は自社管理のテンプレで:体裁や計算式は、信頼できる自社テンプレートやクラウド請求書サービスで管理するのが安全
- 税務判断は専門家に:勘定科目やインボイスの扱いに迷ったら、税理士に確認する
💬 さとしさん(編集長) 請求書は信用の証。AIで効率化しつつ、金額と記載要件のチェックだけは人が握る。これが鉄則だ!
よくある質問(FAQ)
Q. ChatGPTだけで請求書は完成しますか? A. 内容の整理まではできますが、正式な体裁や正確な計算はExcelやテンプレートと組み合わせるのが確実です。金額は必ず検算してください。
Q. インボイス制度に対応した請求書を作れますか? A. 記載要件を指示すれば、要件を満たす内容を整理できます。ただし登録番号や税額の記載漏れがないか、最終確認は必ず行ってください。
Q. 毎月の請求書を効率化するには? A. 過去の請求データをCSV形式で渡し、「このパターンで今月分を作って」と依頼すると効率的です。装飾を外した純粋なデータにするのがコツです。
Q. 消費税の計算は任せて大丈夫ですか? A. 補助としては使えますが、丸投げは禁物です。特に端数処理は「税率ごとに1回」というルールがあり、最終的な金額は必ず自分で検算してください。
Q. 作った請求書はどう送ればいいですか? A. PDF形式に変換して送付するのが一般的です。Excelで作成した場合も、PDF化してから送りましょう。
まとめ
ChatGPTを使えば、請求書業務を効率化できます。要点を整理します。
- 役割分担:中身の整理はChatGPT、体裁と計算はExcel・テンプレート、送付はPDF
- インボイス対応:登録番号・税率ごとの消費税額など、記載要件を漏れなく指示する
- 量産のコツ:過去データをCSVで渡し、パターンを踏襲させる
- 端数処理:消費税は「税率ごとに1回」。ルールを守る
- 注意:金額は必ず検算、記載漏れを確認、機密情報に注意、税務判断は専門家へ
まずは、いつも使っている請求書の項目をChatGPTに整理させ、Excelテンプレートと組み合わせてみてください。中身の下ごしらえをAIに任せるだけで、毎月の請求書業務はぐっと軽くなります。ただし、金額と記載要件のチェックだけは、必ず自分の目で行いましょう。
💬 さとしさん(編集長) 面倒な請求書こそAI活用の狙い目。効率化と正確さを両立させて、経理の時間を取り戻そう!